わたしは吸血鬼なカレの番



突如放たれた怒号と威圧感に、身体が竦みあがる。

その時、レイくんが私の前にかがみ込んで、髪を粗暴に鷲掴みにして顔を強制的に上げさせてきた。


「あいつ、すっごい完璧すぎでさ。権力、戦闘力、魔力……何ひとつ隙がなくて、どんな手を使おうと引きずり降ろすことができなかった。……だけど、あかりちゃんが入学して以降、あの完全無欠だった神城ヴァルに『弱点』が生まれたんだ」

「え……? わたし、が……?」



頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。

愕然として言葉を失う私を見下ろし、レイくんは嗜虐的な笑みをいっそう深めた。



「そ。陰から観察していて確信したよ。……あいつの唯一にして最大の弱点は、間違いなくあかりちゃんだってね。」



私が……ヴァル先輩の足を引っ張ってたの……!?



あの日、満月の下で彼が明かしてくれた孤独な過去。

どれほどの重責を背負い、誰にも甘えられず、たった一人でトップに立ち続けてきたか。

それを……私の軽率な行動と無知のせいで、台無しにしようとしているなんて──!