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女子寮の敷地まで戻ってきた頃には、月はすっかり高く上っていた。
「送ってくれてありがとうございました、ヴァル先輩」
「ああ」
私を送り届けてバルコニーから立ち去ろうとしたヴァル先輩だったけど──
ふと足を止めて振り向いた。
「……あかり。ひとつ、言っておくことがある」
急に落とされた低いトーンに、私は思わず背筋を伸ばす。
「え……なんですか?」
「生徒会の定例会議でも話題になったが――最近、学園内で不穏な動きがある。俺や生徒会の動向……そして何より、お前の身辺を嗅ぎ回っている者がいるようだ」
「えっ……私のことを……!?」

