わたしは吸血鬼なカレの番



◇


女子寮の敷地まで戻ってきた頃には、月はすっかり高く上っていた。



「送ってくれてありがとうございました、ヴァル先輩」

「ああ」



私を送り届けてバルコニーから立ち去ろうとしたヴァル先輩だったけど──

ふと足を止めて振り向いた。



「……あかり。ひとつ、言っておくことがある」



急に落とされた低いトーンに、私は思わず背筋を伸ばす。



「え……なんですか?」

「生徒会の定例会議でも話題になったが――最近、学園内で不穏な動きがある。俺や生徒会の動向……そして何より、お前の身辺を嗅ぎ回っている者がいるようだ」

「えっ……私のことを……!?」