「……ヴァル先輩」
「なんだ」
私は自分から、そっと彼の外套の袖を引っ張り、彼の大きな腕に頭を預けるようにして寄り添った。
「……寒くないですか?」
「ああ、今日は少し冷える。……お前は温かくて、心地が良いな」
「ふふ、じゃあ……もう少しだけ、こうさせてください」
「……ああ。いくらでもそうしているといい」
ヴァル先輩の手が私の肩を包み込み、優しく引き寄せてくれる。
彼の体温と、甘く高貴な香りが私を包み込んでいく。
満月のやさしい光の下で、私たちは静かに寄り添い合いながら、愛おしい時間を分かち合ったのだった。

