「そ、そんなたいしたことではなくって!自然にそうなったといいますか……!」
慌てふためく私を、セシル先輩はニコニコと温かい目で見つめている。
「会長は未だにあかりちゃんのことを頑なに番って呼んでるけど……私にはもっと深い仲というか。良きパートナーになったように見えるの!」
「パートナー……ですか」
「ふふ、あかりちゃんは会長のこと、好き?」
ヴァル先輩のこと……好きなのか、どうか……
セシル先輩の問いかけが、胸の奥に響く。
私は少しだけ俯いて、スプーンでパフェの残りのクリームをすくいながら、自分の素直な気持ちと向き合ってみた。
いつだって強引な困った人。
だけど──。
「……好きかどうかは、まだよくわからなくって」
ぽつり、と言葉が口からこぼれた。
「でも、すごくかっこよくて、素敵な人だなって……思ってます」
「うん」
「最初はすごく怖かったんです。吸血鬼なんて実在すると思ってなかったし……。でも、誰も見ていないところで努力されていて、本当はすごく孤独で。……私が他の男の人と話すと、わかりやすくヤキモチ焼いて。それから耳を真っ赤にして照れるんです」
言葉にするたびに、胸の奥が甘くギューッと締め付けられる。
「私なんかに勿体ないくらい……本当に、強くて優しい、素敵な人です」
言い終えてから、あまりにも恥ずかしくなって顔を覆った。
私、なにを恥ずかしいこと語ってるんだろう!
けれど、セシル先輩は満足そうに目を細めると、テーブルの上で私の手に自分の手をやさしく重ねてくれた。

