驚いて固まっている私をよそに、お姉さんは私の腕を素早く掴むと、慣れた手つきでゴムチューブをぐるりと巻き付けた。
「……では、採血を行いますね」
チクリ。
「ひっ……!」
小さな痛みが走り、思わず肩が跳ね上がる。
シリンダーの中に、赤い液体がどんどん吸い上げられていく。
「──はい、終わりました。本日は以上です」
「えっ!? あ、あの……!?」
「結果は後日、郵送にてお知らせします。お引き取りを」
お姉さんはそう言うとシリンダーを持って部屋から出て行ってしまった。
……時間にして、わずか5分。
ほんの少し血を採られただけで『本日は以上です』って追い返されちゃって。
私は訳が分からないまま呆然とアパートへ帰ったのだった。

