「う~~やっぱ緊張するなあ……」
ポツリと呟いた言葉が、白い息となってすうっと冬の空に溶けていく。
目の前には、高くそびえ立つピカピカの鉄の門。
立派すぎる門の向こう側に見えるのは、おとぎ話に出てくるお城みたいな建物たち。
私、白石あかりはひょんなことからここ――聖サングイン学園に入学することになった。
……しかもなんと特別編入生として!
――聖サングイン学園。
日本中のお金持ちの子どもが集まるとウワサの全寮制の学校。
その内部は謎に包まれていて、私みたいなビンボー人には縁のない世界だった。
――特別編入生の合格通知を受け取るまでは。
「ふふ……いよいよ私もサングインの生徒かあ……」
握りしめたカバンの持ち手をぎゅっと整えながら、これから始まる新しい学園生活に思いをはせてみる。
可愛い制服を着て。
お城みたいな校舎で勉強して。
たくさん友達を作って。
……もしかしたら、素敵な恋人ができちゃったり――?
「ふへ、ふへへへ……」
妄想に花を咲かせて、ひとりでニヤニヤと顔を緩ませていたまさにその時。
「――白石あかりさん、ですね?」
「……っひゃい!?」
背後から急に呼びかけられ、私は変な声をあげながら飛び上がって振り返る。
そこに立っていたのは――

