キミがいたから。



───秋の終わりの冷たい風が、いつかの帰り道2人の間を通り抜ける。


けれど、不思議と寒くなかったよ


これから先も、きっと辛いことはあるし嫌なことだって、全部なくなるわけじゃない。

それでも、もう1人じゃない。

隣にいてくれる人がいる、支えてくれる人がいる

───自分を信じてくれる人がいる…



だから、もう大丈夫…

私は爽太郎の隣を歩きながら、夕焼けの空を見上げた。




高校1年生の春…道に迷っていた少女はあの日、白い笑顔の少年に出会った。

そして今、少女はもう暗闇の中にはいない。

自分の足で光の中を歩いていて隣には、大切な人がいる。



――これは、私が「私」を好きになるまでの物語。

そして…

私が、キミを好きになった物語。

 『キミがいたから。』

───その物語は、ここから始まっていく。