キミがいたから。



「……燈」

「……うん」

「俺、たぶん……燈のことが好きなんだと思う」


その言葉を聞いた瞬間、私の涙が止まらなくなって。


「……ほんと?」

「うん」

「……私も」

───夢みたいで、声が震える。

「私も、爽が好き」

やっと言えた、ずっと言えなかった言葉。


何度も喉まで出かかって、それでも怖くて飲み込んできた言葉。

今、ちゃんと伝えられた。

「……そっか」

爽が笑う、その笑顔を見て私も泣きながら笑った。

「なんで笑ってるの……」

「だって、嬉しいから」

「……私も」

しばらく2人は、何も言わなかった。

夕焼けの光が、二人を優しく照らしている。

私は思う…

高校に入学したあの日、自分は1人だった。

道に迷って…どうしたらいいのか分からなくて。


また誰かに傷つけられるんじゃないかと怖がっていた。

そんな自分に、爽太郎は笑って声をかけてくれた。

 
そこから全部が始まったように思う。

友達ができた、笑えるようになった、自分を少しずつ好きになれた。

そして……恋を知った。

「爽」

「ん?」

「私ね」

「うん」

「最初は、爽のことを白い人だと思ってた」

「白い人?」

「うん。明るくて、優しくて……私とは正反対」


私は照れ隠しの意味を込めて少し笑う。

「だから、私なんかが隣にいていいのかなって思ってた」

「……燈」

「でも、今は違う」

私は爽を見る。

「白とか黒とかじゃなくて」

「……」

「一緒にいられたら、それでいい」


爽は少し照れながら笑った。

「俺も」

「……うん」

「燈の隣にいたい」

その言葉に、胸が温かくなる…


ねぇ爽……大好きだよ。出会ってもう少しで1年が経つけど、まだ1年も経ってない。それでもこんなにも君が好きで…


恋はこんなにも暖かくて、切ないんだね…