入学から一週間。わかったことは繊月彩は自由奔放だということだ。
「薫子ちゃん、今日空いてる?」
ほぼ毎日のようにこの質問が飛んでくる。入学式の日、あの意味のわからない質問をふっかけてきてからもうずっとこうだ。
「私は空いてない。雅、今日空いてる?」
「うん。空いてるよ」
「雅はあいてるって。瑠華と美麗も空いてるでしょ?」
「空いてる空いてるー。何々?どっか行くの?」
気まずくなりかけた空気を即座に柔らかくする。ほんとうは私は今日何の予定も無い。けれどここで空いてるなんて言ったら瑠華と美麗になんて言われるかわからない。
「ん。ならいい。じゃあ俺も予定ある」
じゃあってなによ。心の中で毒づいた。
雅の顔が曇る。長いまつげが伏せられて頬に春色の影を落とした。
雅は本当に繊月のことが好きらしい。何が良いのかは正直私にはわからない。会ったことないのに名前を知っててデリカシーがないということしか。
美麗の大きな目が今はじっと私を睨んでいる。何かを言われたわけでもないのに血の気が失せて足が震えて、崩れ落ちそうになる。
「そろそろ授業始まるぞ。彩、いつまで女子とイチャイチャしてんだよー」
「してねぇよ。俺はただ薫子ちゃんに……」
「はいはい。とっとと座れ」
繊月のことを彩、と呼ぶのは彼の中学からの友人である橋本くんだ。橋本くんは明るくてお調子者で、時々空気が読めないことを言うけれど面白い。
「
「薫子ちゃん、今日空いてる?」
ほぼ毎日のようにこの質問が飛んでくる。入学式の日、あの意味のわからない質問をふっかけてきてからもうずっとこうだ。
「私は空いてない。雅、今日空いてる?」
「うん。空いてるよ」
「雅はあいてるって。瑠華と美麗も空いてるでしょ?」
「空いてる空いてるー。何々?どっか行くの?」
気まずくなりかけた空気を即座に柔らかくする。ほんとうは私は今日何の予定も無い。けれどここで空いてるなんて言ったら瑠華と美麗になんて言われるかわからない。
「ん。ならいい。じゃあ俺も予定ある」
じゃあってなによ。心の中で毒づいた。
雅の顔が曇る。長いまつげが伏せられて頬に春色の影を落とした。
雅は本当に繊月のことが好きらしい。何が良いのかは正直私にはわからない。会ったことないのに名前を知っててデリカシーがないということしか。
美麗の大きな目が今はじっと私を睨んでいる。何かを言われたわけでもないのに血の気が失せて足が震えて、崩れ落ちそうになる。
「そろそろ授業始まるぞ。彩、いつまで女子とイチャイチャしてんだよー」
「してねぇよ。俺はただ薫子ちゃんに……」
「はいはい。とっとと座れ」
繊月のことを彩、と呼ぶのは彼の中学からの友人である橋本くんだ。橋本くんは明るくてお調子者で、時々空気が読めないことを言うけれど面白い。
「

