【偽】カップルですが、本当の恋を教えてください

「甘えていい対象が3人だけなんだから許してよ」
「可愛いヤツめ」
やっぱり手伝うよ、と珀の隣に行くと、わしゃわしゃと頭を撫でられキッチンを追い出された。
もう、どっちなの。冗談と本気の判別が出来ないんだってば。
「桃祢ちゃん、俺とテレビ見てる~?ライブ映像でも流そうかな~」
「おいナルシスト緋雁、お前は手伝え」
「ナルシストってなんで」
「ご飯中に自分たちのライブ映像観んの恥ずかしくないんか」
緋雁が私をリビングに誘うと、すかさず珀が口をはさんだ。
そりゃそうだよね、珀も葛もやってるんだもん。
「緋雁、サボっちゃだめだよ」
「・・・はいはい」
珀の味方をするのかと言わんばかりに、こちらを軽く睨む緋雁。
でも素直にキッチンに向かい、珀にお小言を言われていた。

♡───────────────────────♡

結局私は3人の手伝いをしないまま、リビングで暇を持て余し・・・。
「「「「いただきまーす」」」」
3人・・・特に珀が作ったであろう黒酢豚を麻婆春雨は今日も絶品で、この時間がすごく幸せだ。
「・・・で?」
「ん?・・・あっ、めっちゃ美味しいよ!いつもありがとう」
「そうじゃなくて。どういたしましてだけど」
ご飯中、真剣な目で珀が訊いてくるものだからお礼を言うと、首を横に振った珀が緋雁を見る。
え・・・?ど、どうしたんだろう。
「あー・・・付き合うことになったよ」
「・・・っ⁉」
「なに今思い出したみたいに言ってんだよ。ずっといつ言おうかソワソワしてたくせに」
ま、待って・・・なんで分かってたみたいな顔してるの⁉
あとなんで緋雁、そんなさらっと言うの⁉
「桃祢が慌ててるって」
「大丈夫だよ桃祢、全員知ってるから」
・・・あれ、みんな知ってるの?
帰った後、もう緋雁が話したのかな・・・?
「なぁんだ、ならいいね!・・・ご飯食べていい?」
「ねぇこの子こわい、マイペースすぎるって」
なら説明する必要もない、と自己完結したのでもう一度お皿に箸をのばすと、珀が葛に抱きついてそう言った。
「なぁにそれ、悪口~?・・・ん、美味しい」
変にモジモジしてるほうが気まずい空気になるのに。
そもそもなにか変わることもないし、葛はニコニコしてなにも言わないし。
「桃祢はそのままでいいんだよ。・・・でも皮肉なことだよね」
「あー・・・カップル否定した2人が本当に付き合うのが?」
「どうやって結婚発表すればいいんだよ」
「結婚は早いだろ」