【偽】カップルですが、本当の恋を教えてください

「・・・っ、いつもの緋雁が好きだもん・・・」
なのに、さっきの緋雁はなんだか怖くて・・・知らない人みたいだったから。
そう伝えると、緋雁は私の脇に手を差し込み、軽々と持ち上げて歩き出した。
そのまま楽屋中央のテーブルに私を座らせ、目線を合わせて覗き込んでくる。
顔が近づいてきて、コツンと額同士が当たった。
「俺のこと好き?」
「・・・うん」
「俺と同じ?」
「・・・っうん」
緋雁に導かれるまま、頷いて小さく返事をした。
私が抱く、‟緋雁への好き”と‟珀や葛への好き”の違い。
キスされて、嫉妬してると聞いてから、なんとなく察してはいた。
でも・・・緋雁の気まぐれだったんじゃないかとか、揶揄っただけだったんじゃないかとか、色々嫌な方向に考えちゃって。
「・・・ごめんね?いきなりキスして」
「・・・っあれ!あれは許さないから・・・!」
「う~、好きすぎたんだよ・・・ごめんってば・・・」
急にキスされたのは驚いたし!そのおかげで自分の気持ちには気づけたけど!
ふんっと顔を背けると、がくりと項垂れる緋雁。
それがなんだか可哀想で、そろりとそちらに顔を向けると・・・。
「・・・っ!ん~・・・っ!」
「・・・っあは、油断したね」
待ってましたと言わんばかりに唇をふさがれ、騙されたことに気づいて緋雁の背中をバシバシと叩いた。
「ん、ほんとにピュアだね」
「~っもう!次の仕事行くから・・・!」
「はいはい、行ってらっしゃい。俺がいるんだから他の男見たらだめだよ?」
いつもの緋雁には戻ったけど、このまま一緒にいると危険な感じがしたので、次の仕事に行くことにする。
「頑張ってね」
最後にまたちゅっとキスを落とし、緋雁は楽屋を出て行った。
その軽い足取りに笑ってしまうと同時に、さっきまでの急展開を思い出して1人で赤面する。
必死に顔の火照りを冷ましていると、そのあと合流したしののんにすごく心配されてしまった。

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「ただいま~・・・」
「「「おかえり~」」」
仕事終わり、収録が押してすっかり夜になってしまった。
しののんが送ってくれて、もうご飯食べてるかな~と思いつつ、部屋に入る。
「ナイスタイミング!ちょうどご飯の準備できたよ」
「え~ありがとう!すぐ手伝うね」
すぐに葛が出迎えてくれて、急いで手を洗ってキッチンに向かった。
「お疲れ。押して疲れ多でしょ、準備は任せな?」
「え、いいの珀!ありがと~」
「遠慮位して見せてよ」
フライパンからお皿に料理をうつした珀がそう言ってくれて喜ぶと、呆れたように目を細められる。
え~、任せろって言ったのはそっちなのに。