月影に咲く、一輪の華

朱雀の喧嘩の後屋上にいたら先生に見つかって怒られた。

星羅「えぇー!?」

先生「えぇーじゃありません。今日はもう十分授業を抜けています。午後はちゃんと教室に戻りなさい」

星羅「うぅ……」

來夢「まあ、今日は大人しく戻っとけ」

星羅「でも……」

星夜「姉ちゃん」

星羅「……なに?」

星夜「授業行け」

星羅「星夜まで……」

しょんぼりしながら星夜を見る。

星夜「終わったら迎えに行く」

星羅「……ほんと?」

星夜「ああ」

星羅「じゃあ行ってくる!」

途端に元気を取り戻した私は、みんなに手を振る。

星羅「みんな、またあとでね!」

黒羽「ああ」

朔夜「ちゃんと授業受けろよ」

星羅「はーい!」

琉生「頑張ってください、星羅さん!」

星羅「琉生もね!」

最後に星夜の腕をぎゅっと掴んでから、私は屋上を出ていった。

扉が閉まる。

――カチャ。

さっきまで聞こえていた星羅の明るい声が、完全に消えた。

屋上に残ったのは、月影のメンバーだけ。

誰もすぐには口を開かなかった。

黒羽「……さて」

黒羽が壁に背を預ける。

黒羽「話すか」

來夢「だな」

朔夜「……星羅のことか」

豹牙「他にねぇだろ」

琉生「……」

夜凪も黙ったまま、フェンスにもたれている。

さっきまで星羅がいた場所を、何となく見ていた。