月影に咲く、一輪の華


ドンッ!!
男の身体が壁へ叩きつけられる。

男「……ぐっ!」

紅蓮「星羅を傷つけた」

さらに一発。

ドゴッ!!

紅蓮「星夜まで傷つけた」

もう一発。

バキッ!!

紅蓮「そして――」

男の胸倉を掴む。

紅蓮「俺らの前で、あいつを泣かせた」

男「…………」

紅蓮「それが一番、気に入らねぇんだよ」

男が最後の力を振り絞ってナイフを振り上げる。

星羅「紅蓮!!」

紅蓮「――!」

その瞬間。

ガシッ!!

後ろから刹那が犯人の腕を掴んだ。

刹那「……終わりだ」

男「……っ!」

紅蓮「助かる」

刹那「礼はいらない」

紅蓮が男を睨む。

そして――拳を握り直す。

紅蓮「これで終わりだ」

ドゴォッ!!

最後の一撃。

男の身体が床へ崩れ落ちた。

静寂。

誰も動かない。

やがて――。

黒羽「……終わったな」

豹牙「……ああ」

來夢「星羅ちゃん!」

星羅「…………」

星羅はゆっくり顔を上げる。

そして――。

星夜「姉ちゃん」

星羅「星夜……」

星夜が両手を広げる。

星羅は迷わず、その胸へ飛び込んだ。

ぎゅっ。

星夜「……帰ろう」

星羅「……うん」

長かった過去との戦いが――。

ようやく、終わりを迎えた。