月影に咲く、一輪の華

紅蓮「……月影か」

その一言で、さっきまで和やかだった空気が一気に張り詰めた。

瑛翔「来るの早くない?」

刹那「星羅を連れ去ったんだ。当然だろ」

朧「…………」

三人がそれぞれ立ち上がる。

星羅「……みんな、来たんだ」

少し安心したように呟く。

紅蓮「お前、嬉しそうだな」

星羅「うん」

紅蓮「……そっか」

その笑顔を見て、紅蓮は少しだけ複雑な顔をした。

敵である自分たちのところにいるのに。

月影が来たことを、心から喜んでいる。

紅蓮「……まあ、そうなるよな」

星羅「紅蓮?」

紅蓮「何でもねぇ」

その時――外から怒鳴り声が響いた。

黒羽「――星羅!!」

星羅「黒羽!」

思わず立ち上がる。

紅蓮「おい」

星羅「……?」

紅蓮「勝手に外へ出るなよ」

星羅「でも、みんなが……」

紅蓮「分かってる」

紅蓮は窓の外を見る。

そこには、月影のメンバーが集まっていた。

星夜「姉ちゃんを返せ!」

豹牙「紅蓮!!」

來夢「今すぐ出てこい!」

朔夜「話はそれからだ」

そして夜凪は何も言わず、ただ建物を見上げている。

星羅「……夜凪」

その名前を呟いた瞬間。

夜凪が顔を上げた。

一瞬だけ、目が合う。

星羅「…………」

夜凪の表情はいつもと変わらない。

けれど――。

その目だけが、明らかに怒っていた。

星羅「……ごめん」

紅蓮「何で謝る?」

星羅「心配かけたから」

紅蓮「……お前、ほんと優しいな」

紅蓮が小さく笑う。

そして扉へ向かう。

紅蓮「俺が話す」

星羅「紅蓮」

紅蓮「大丈夫だ」

振り返る。

紅蓮「今日は喧嘩しねぇって、お前と約束したからな」

星羅「…………」

その言葉に、星羅は少しだけ笑った。

紅蓮「……その顔、反則だろ」

小さく呟いて、紅蓮は外へ出ていく。

そして――月影と朱雀。

二つのチームが、再び真正面から向かい合った。