この想いは、誰にも言えない ~深碧の音 つぼみ蕾のように~

 二度も同じ後悔したくない。

 私の足が止まったのが、何よりの判断でしょう?

 せっかく巡り会えたチャンス。

 今日通り過ぎたら次いつ会えるかはまた未定。

 そんなの嫌。

 もしも本当にあの人たちがまた有名になった時、実はCD持っているっていうだけでステータス上がりそうじゃない?

 駅に戻るとまだ歌っていた。

 少しの時間なら聴けそうと思って、ほんの少しの隙間から顔を覗かせた。

(やっぱりこの人たち、歌上手いな)

 ゆっくり聞きたいけど、バイトの時間もせまって来た。

 歌っている人に声かけられないから途方にくれてたら

 ちょうどよくスタッフさんらしき人をみつけた。

 「アルバム、1枚ください」

 「ありがとうございます。
もうすぐ、歌い終わるんで、終わったらサイン書いてくれますよ?」

 時間がない。
 歌い終わる時間を待っていられないから、お辞儀だけしてこの場を後にした。

 いったんはCD購入に躊躇してしまったけど、今は買えてよかった。

 安堵が広がり、るんるん気分でビールジョッキ両手いっぱいにもって仕事が弾んだ。