この想いは、誰にも言えない ~深碧の音 つぼみ蕾のように~

 いつの間にか、数時間のときが流れている。

 今日はカバー曲も、この間聞けなかったオリジナル曲も沢山聴けている。

 ノリノリの楽しい曲には手拍子を
 しっとり聴かせる歌には身体を横に揺らして聴いたり
 曲調に変化があって楽しい。

 二人の歌を心地よく聴いていると、次第に一人、二人…と何人か集まってきた。

 (ファンの方かな?)

 「上手いなーコイツら」
 
 私と同じように通りすがりの方のようでした。

 Muscat -マスカットの歌を初めてじっくり聴くのに、自分のことのように嬉しくなる。

 「上手ですよね」

 知らない人だけど、ニッコリ返した。

 たまたまチラシの置いてあるテーブル近くにいた私は、以前メンバーからもらったように彼らに渡した。

 頼まれてないけど、チラシを見ながら出会ったばかりの二人と感じた歌の特徴を伝えてみた。

 「マネージャーさんですか?」

 「いえ、……」

 (通りすがりで……)

 「あ、ファンの方ですね?」

 ファン……?
 あ、そっか。
 歌が心地よくてずっと聴いていたい。
 これをファンって言うのなら…

 「さっきファンになったばかりです」

 なんとなく、意気投合したお兄さんやお姉さんたちと、しばらくの間、Muscat -マスカットの歌を堪能していた。