この想いは、誰にも言えない ~深碧の音 つぼみ蕾のように~

 ヒョンなことから特等席に案内されてしまい、それ以上話すことも話しかけられることもない。

 ……えっと?
 (私なんでここにいるんでしょうか?)

 歌をちょっとだけ聞きたいとは思ったけど、今目の前に、視界を遮るものが何もない目の前に、二人の男の子たちが歌っている。

 明らかに目をキラキラさせたファンのこもいる。

 余所者の私より彼女たちが真ん中の方がいいのでは?

 「あの、……場所変わりますよ?」

 「私たちは大丈夫です。
 どうぞ、そこでみててください」

 何度彼女たちに場所を譲っても、何度も、『そのままどうぞ』といわれる。

 居心地悪かったけど、かたくなに遠慮するのもつかれてきた。

 ここにいて良い。

 ならば、楽しまなくちゃ。

 しばらく聴いているうちに、彼らの作り出す世界観が、愛おしくなり、ここにいるのに違和感も感じなくなった。

 キレイなハモリ。

 真剣に歌う姿が格好よくて

 二人ともキラキラしてて

 私はウキウキしながら、二人の歌を聴いて楽しんでいた。

 (歌って、やっぱり良いな。)

 日頃の心につっかえているものが癒される感じがする。