この想いは、誰にも言えない ~深碧の音 つぼみ蕾のように~

 「ねぇねぇ、今、僕たちの動画を撮ってくれていましたよね?」

 えっ?

 おそらく、この間チラシをくれたこが満面の笑みで話しかけてきた。

 「ビックリさせちゃってごめんね。僕、あそこで歌ってたグループの者で、廉(レン)って言うんだ。
 お姉さん、名前は?」

 名前を聞かれ、簡単に答えた。

 前回はあまり時間なかったし、グループの活動内容だけ聞かされて、その場を離れちゃってたから。

 「あんみさん、メイク上手ですね?
 お仕事、美容系のお仕事?」

 え? 

 褒めてもらえるのは嬉しい。

 でも、週に何回かは居酒屋でバイトはしているけど、メインの仕事は、平日の日中は17時まで事務職の仕事をしてるだけ。

 「この町もよく来るの?」

 なんとなく、通知を見て来たって、言い出しにくくて、買い物帰りとこたえてしまった。

 興味津々と、次から次へといろいろ聞かれる。

 「あんみさん、ケータイ貸して」

 へ?

 「もっと色々お話したいから」

 笑顔につられて、抵抗することなくスマホを差し出すと、慣れた手つきで、パパッと、公式LINEの登録が完了されていた。