「見合いをする気はないか?」
私は飲んでいた紅茶を噴き出し、おじいちゃんの顔面にぶっ掛けてしまった。
おじいちゃんは今日も顔が怖い。
「……すみません。」
おじいちゃんの秘書の七星さんが、おじいちゃんにハンカチを差し出した。
おじいちゃんはそれを受け取り、顔を拭いている。
「私、まだ大学生ですよ。お見合いだなんてそんな……。」
「まず会ってみるだけだ。」
“まず”が気になるのだが……。
「……お相手はどんな方なんですか?」
私とお見合いするらしい相手は、祖父が元総理大臣で父親が現外務大臣、だと。
世襲制の政治家一族って、なんかやばそう。
お見合い会場は、老舗ホテルのラウンジ。
……帰りてぇ。
白のワンピースを着て、髪は美容院でセットした。
大学生になってから、メイクをするようになった。
大学生はみんなお洒落で、浮かない為にしてる。
ファッションは元々好きだから、最近は色んなテイストの服を着ていた。
今日のテーマは、お淑やかな御令嬢。
紅茶とマカロンが似合いそうな。
おじいちゃんの顔を立て、お見合いにやって来た。
名前は御影藤仁。
大学の法学部を卒業して、現在は父親の秘書をしている、と簡単なプロフィールをおじいちゃんから聞いた。



