「真緒ちゃん、って呼んで良い?」
「うん。」
「俺の事は好きに呼んでよ。」
「……。」
そうは言っても、明らかに期待してる目。
「……葵くん。」
「新鮮で良いね。グッと来る。」
負けた……。
下の名前を呼ぶだけで緊張してる。
キス、なんてしたら。
……呼吸停止。
心臓が、止まるかも。
“あの”泉宮葵に恋人が出来たと、学校はその話題で持ちきりだった。
椎奈さんを含め、女子達を敵に回した。
「真緒〜、鼻が高いね。」
彩ちゃんは例外で、通常運転だった。
「泉宮に泣かされたら言ってね。」
「……うん。」
「死んだ方がマシだって、懲らしめてあげるから。」
「心強い。」
「わたしは真緒の親友だもん。」



