「桜森さんとカラオケに行ったんだって?」
……どうして知ってるんだろ。
彩ちゃんが話したのかな……。
何故か、人気の無い廊下の隅に追い詰められていた。
離れて欲しい。
距離が近い。
冷や汗が出る。
「俺も行きたかったなぁ。」
歌う様に言う。
声が良い。
「誘ってよ。」
「い、泉宮くんは塾とかで忙しいから、遊んでる暇はないんじゃないの?私が誘って勉強の邪魔をしたら悪いし!」
「……ふぅん。そっか。」
泉宮くんは目を細めた。
睫毛が長い。
「ごめんね、呼び止めて。」
「……。」
廊下を歩いて行く泉宮くんの背中を見つめながら、なんなんだ、一体、と困惑した。



