泉宮くんの恋人になるには


これまでの人生、告白をした事もなければ、された事もない。

どうやったら、好きな人の好きな人になれるの……?

……難関過ぎて解けない。

今、二学期の中間テストの真っ最中。

成績が落ちたら、お母さんに怒られる。

赤点取ったら殺される。


私が好きなのは、一年一組二番 泉宮葵くんである。

名前からして格好良い。

顔も格好良い。


「……泉宮葵。」

たまたま、その名前が目に入った。

入学式の日、クラス名簿が張り出されていた。

彩ちゃんと同じクラスで、喜び合った。

中学二年、中学三年、高校一年、と三年連続で同じだった。

友達になって三年。

お泊まり会をする程、仲が良くなった。


お貴族様みたいな名前だと、思った。

第一体育館で入学式があり、

「新入生代表、泉宮葵。」

その名前が呼ばれて、ハッとした。

どんな人なんだろうと、気になった。

泉宮くんが首席で入学して、新入生代表の挨拶をした。

泉宮くんは同じ新入生だとは思えない程、落ち着いていて堂々としていた。


泉宮くんと特に仲が良さそうな女子は、クラスだと三人いる。

泉宮くんが廊下を歩けば、他のクラスの人にも話し掛けられて……。

ボディタッチが自然だし、楽しそうに話してる。


私は距離が近くなると、意識してしまう。

緊張して死ぬ。ボディタッチとか、死んでも無理。


私の家は、代々土地を持っていて、ビルを貸したりしてるけど、お手伝いさんはいない。

お母さんが家事をして、お弁当を作ってる。

質素倹約で贅沢は敵な、家で育ったからお金持ちって感覚はあまりない。


泉宮くんの家は正真正銘のお金持ち。

家柄から違う、旧家の名門。


彩ちゃんの家は、お父さんがお医者さん。

開業医でお母さんは、専業主婦で料理上手。

中学の時から、遊びに行ったりお泊まりさせてもらってる。


彩ちゃんがいつも、一人だったのは嫉妬。

彩ちゃんは可愛くて、家が開業医でお金持ち。

男子から人気があって、良く言い寄られていた。


それが気に入らなかったみたい。


「……おはよう、入夏さん。」

初めて話した次の日、教室に行くと挨拶をしてくれた。

「おはよう!私の事は、真緒って呼んで。」

私の友達は下の名前で呼ぶから、苗字なのは変な感じがした。

「彩ちゃんって、呼んで良い?」

友達になりたくて、そう言った。