麗子の横顔。
きゅっと結んだ口。
長い髪が潮風になびく。
「おいしいよ。食べてみたら」
首を横に振る。
わたしが麗子の立場だったら、どんなに気持ちになるだろう。
この自由な未来がないってこと。
人のうらやむような未来は用意されているけど……。
「麗子、残酷だね」
涙があふれてきた。
気づくと美咲も泣いていた。
「十八歳で人生が全部決まってるなんて、おかしいよ。
基本的人権だよ。日本国憲法第24条1項 。
『婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し……』って勉強したでしょ?」
麗子はただ、チョコレートを食べていた。
その厳しい表情が、ものすごく大人に見えた。



