船が高く持ち上がって、叩きつけられた。 バシャーーーーン! 転覆する。 そう思った。 漁師は巧みにバランスを取り、揺れる船を立て直した。 再び、体が宙に浮き、次の瞬間甲板へ叩きつけられる。 「うっ……!」 西から吹きつける風も、ますます強くなっていた。 風速十五メートル。 いや。 もっとあるかもしれない。 頬を叩かれる。 髪が逆立つ。 全身ずぶ濡れだった。 寒い。