魔法がなくても




本を返して、校門へと向かう途中にある雑貨と文房具屋の前にその店の店長である、おーさんがいた。
おじいちゃんで私たちを孫みたいだと言うおーさんの本名は知らない。
皆のおじいちゃんということで……おーさんと呼んでくれ、とのこと。
優しいくてノリがいいから人気者。


「おお、星羅ちゃん今帰りか」

「はい。おーさんは今日お店は終わり?」


敬語はあまり好きじゃない、おじいちゃん目線で話してほしいとおーさんから言われて、こんな感じでいつも話している。


「おう、終わり終わり。帰って茶でも──」




「待て!」




ん?



「ありゃありゃー……あの子、また追っかけられてんのかい。大丈夫かねぇ」

「……おーさん、編入生のこと知ってるの?」

「もちろん。理事長が直々に誘ったって聞いてたまげたから。でもあの子、三日前くらいに来てから度々追いかけ回されてる気がするんだよなぁ」


追いかけ回されてるって……魔法が使えないことを理由にしているとしか考えられない。


「ああ星羅ちゃん、ワシから言うのもなんだが……」