魔法がなくても


無視するわけにはいかないため、一応本から目線を上げてたずねると予想外なひと言が返ってきた。


「そいつ、魔法が使えないらしい」

「……え?」


魔法に目覚めるから、その力を制御、開放する術を学ぶのがこの学園。

けれど、その編入生とやらは魔法を使えない。

なのに学園にやってきた……それが噂程度ではなく本当の話なら、ワケアリというのは納得がいく。


「その上、理事長が島の外で偶然見つけて学園に呼んだって話で学園内ざわついてるぜ?」

「……そう」

「本当、興味ないのな」


力なくとなりに腰かける四と変わるように私は立ち上がった。


「んだよ、となりは嫌ってか?」

「何言ってるの。授業でいつもとなりでしょ?」

「……それもそうだな」

「本、読み終えたから返そうと思っただけ。それじゃ、またね」

「おう」