魔法がなくても




「なるほど……。でもこれ高そうだし、部屋も食事も用意してもらって……何も返すものがないっていうか。何か俺にできることをないかな……例えば、掃除とか!」

「それは──」


答えるよりも先に、ツララが宙くんのもとへと飛んでいった。
自分のことを指して、ふんっとそっぽを向く。


「……家の掃除はツララに任せてるの」

「そうか……なら、洗い物とか!」

「それくらいだったら、お願いしようかな」


本来なら洗濯も食事も洗い物だって、全て魔法ですますことは出来る。
けれど、私は自分で出来ることならなるべく魔法で片すことはしない主義。

それと……島を出た時のことを考えて、なんでも魔法で解決していては外での生活は出来ないから、未来をみすえて使えるだけ使うことはしていない。

便利だからってなんでもかんでも使っていいわけではないと思うから。


「他にも、俺が出来ること……限りなく少ないけど、やれることがあれば言ってほしいな」

「うん、そうするね」



どれくらいの期間、ひとつ屋根の下で宙くんとともに過ごすのかは未知だけど。

短くはなさそうだから、仲良くやっていけたらいいな。


……白ちゃんとツララをふくめて、ね。