魔法がなくても




「……理事長」


葉っぱをつっつけば、煙とともに理事長が姿を現した。


「にゃーんだもうバレちった。セラセラはすぐみぬくんだから。さすがだにゃーん」


言ってはいけない表現だけど、デブ猫としか言えないフォルム。


「え……猫……?り、理事……え?」


編入生のリアクションを見るに、理事長の本当の姿は知らなかったんだろう。
学園の外では人の姿に化けているから。


「どうかしま……って聞くまでもないですよね?理事長」


テント回収したこと、理事長が知らないわけがない。

理事長は空中で身をひるがえしながらにこにこと笑う。


「キミがこの子を見ていたとは予想外にゃ。けど、セラセラならその子も安心してまかせられるにゃん」

「……一室くらい、仮でも貸してあげればいいのでは?」

「だーめにゃんですー。学園には呼んだけども!特別あつかいはしにゃーい!これワガハイのモットー。……ってことでワガハイ安心したから帰るにゃ!ばいにゃー」


理事長はくるりと回転して消えてしまった。