「あぁー…でもみのりんお祭り大好きじゃん!行っておいでよ蜂技くんと!あたしは犬井くんと休んでおくから!」
「ん?べつに大好きっていうほどでも「ああー!いててててて!」
私の言葉をわざとらしく遮って足首をおさえるカナミ。
そこにすぐさま駆け寄る犬井駆。
「だいじょーぶカナミン!? ちょっとぼくたち一旦お店もどって様子見るからふたりはお祭り行ってきな!」
彼はそう言いながらカナミをお姫様だっこする。
カナミは少しおどろきつつも私たちの方を見てひらひら手を振る。
「うんうんせっかく今日だけしかやってないお祭りだし!いってらっしゃーい!楽しんで〜!」
そう言って二人はびゅーん!と風のごとく去っていった。
「あ……行っちゃった」
「……」
え。
もしかしてこれが作戦?
ずいぶんと手荒だね!?
強行突破としか思えなかったんだけど……。
「行こっか」
「あ、うん…」
蜂技くんの声がなんとなく弾んでいる感じがした。
歩き始めた隣の彼をちらっと見上げると相変わらずポーカーフェイスだけど。
足取りは軽やかで腰チェーンがチャリン、チャリンと楽しそうに鳴っている。



