チャラ男も笑えば雑巾に当たる


固まってしまう。

脳内凍結、思考停止。


『好きなやつ』、イコール私?


か、カナミいいいいいいい!
カナミ!カナミ!カナミの読み当たりだよ大当たり!
どうしようカナミ!助けてカナミ!

カナミいいいいいいいいいいいーーーー!!



『やばいどうしよぼくいますっごいあついんだけど』

「っ、ぁ、ぅぇ、」

『ごめん、ちょっとむり、ぼくの心臓もたないからいったん切るねえ』

「え?はあ、うん、」


またねー、と早口に告げて消える音。

おかしい。おかしいよ犬井駆が私を好きなんて。

協力者(仮)になるって言ったじゃん。

好きなのに協力できるわけないじゃん。

好きな人の恋を応援するの、苦しいに決まってるじゃん。

犬井駆の背後で流れていたラブソングに感化されたのかな脳内が。


「純粋すぎるよ、犬井駆……」


静かな部屋がむなしくて、さっきまで耳を伝っていた曲を探す。

プレイリストから見つけた曲名が胸を締めつける。


“ Notice me(ぼくをみて)”



ぎゅっと布団をにぎりしめて、目を閉じた。