『だからぼくはいつも自分の気持ちを相手にわかってほしいと思ってる。そのために思ったことは口にするし、そこにウソはないし、からかってるつもりはないし、決して人の気持ちをもてあそぼうだなんて思ってないよ。むしろそれでよろこんでくれる子がいるから間違ってないと思ってた』
まっすぐだ。
その言葉はどこまでもまっすぐ。
「……馬鹿正直だね、あんた」
犬井駆は純粋すぎる。
自分の心の内にある本当の感情や欲求に従順で、こうしたいとかそれおもしろそうとか、そういう気持ちのままに生きてるんだ。
自分がそれをやりたいか、それを好きかで判断して、損得は二の次。
でもそれじゃだめなときだってあるんだよ。
特に男女の関係はむずかしいんだよ、言葉を選ばないと傷ついたり傷つけられたりするんだよ。
恋愛においてはそれを駆け引きって言ったりするんだよ。
『人の気持ち考えてるつもりだけど全然わかってないんだよねぼく。自分でも馬鹿だなって思うよ。でもわからないからこそ、そうやって言ってくれる人は大事にしたい。みのりんの言葉ぐさぐさ刺さって笑えないくらいダメージしてるけどもっときかせてって思う』
その声は泣いているようだった。



