まあ、コンプレックスをいじってくるような野蛮で下品なゲスどもとは違って、彼もちゃんと私の目を見て話をしてくれる一人ではあるけどね?
それでも紳士とは言いがたい理由があって。
男子にも女子にも怖い先生にも誰彼問わずラフに話しかけてきたと思ったら男女かまわずさりげなーくボディタッチしてくるで有名なチャラ男。
良くも悪くも人たらし、本人は一切の悪気もなければ下心もないから厄介。
一軍陽キャには好かれるタイプだろうけど、私みたいに地味で真面目な一定層からは毛嫌いされている要注意人物。
「悠里はあげないよ?ぼくのしんゆーだからねえ」
「はあっ!? な、何の話っ」
かあっと顔が熱くなって自分でも真っ赤になっているのがわかった。
居たたまれなくてとっさにうつむく。
すると犬井駆は私の目線を追ってかがむと、上目遣いになって意地悪な笑みを浮かべる。
「ぼくの目はごまかせないよお?見てたでしょ今、悠里のこと」
「みっ、見てないし!」
「ふは、わっかりやす〜」



