グイッと引っ張られて持っていた本を落として、気がついたら背中が本棚にぶつかって。
「は、離してくださいっ……」
両手を頭の上で拘束され、ヤンキーが不機嫌そうにこちらを見下ろす。
こ、こわい……。
「オレら呼んでんのになんで逃げるわけー?」
「……っ、ご、ごめんなさぃ……」
かろうじて出た声は自分でも情けないと思うくらいに弱々しい。
「まーいーやっ。ところでキミ、学年で一番でっかいって有名なネコちゃんだよねぇー?」
なにがでっかい、とは言わなくともその視線は私の胸に。
今日は春先の不安定な天気の中でも比較的気温が高いからサラシは巻いてない。
「あの……何か用、ですか」
「キミと仲良くなりたいなぁと思ってぇ♪オレたちと遊ぼーよぉ」
「っい、いや、です……」
この人たちと仲良くなれる気がしない。
派手な見た目で自己主張の強い人とはこれまでいい思い出はない。
だいたい胸について何か言われて傷つく結末ばっかりでうんざりだから。



