まだ全然たまっていない試験管を再び口元に寄せてストローをついばむ。
その間ずっと犬井駆から視線を感じる。
な、な、なんかやりづらいんだけど。
「……何見てんのよ」
「なんかえろいなあと思って」
「っば、ばっかじゃないの変態!気持ち悪い目で見ないでよっ」
「そんなつもりじゃなかったんだけどー、みのりんがかわいーからつい」
「っ……最低!あんたが目閉じるまでやんない!」
「え?キスでもしてくれるの?」
「変な妄想しないで!」
「わあ、照れてるみのりんもかわいーね」
「……はあ、だめだこりゃ」
どんな反撃も効かないから言い返す気も失せる。
女子に対して恥ずかしげもなく堂々と「えろい」とか「かわいー」なんて連呼できる男子中学生はこの世で犬井駆しかいないのでは。
ってなんだかんだ言いつつ彼の手元にはすでにもう一つの試験管が用意されていて、そっちの準備は終わっているようで。



