トレーに手を伸ばしたら蜂技くんの指先とぶつかった。
とくん、胸の鼓動がひとつ鳴る。
「ご、ごめん、どうぞっ」
「……ありがとう」
白くて長い指。すごい綺麗な手。
ほんの一瞬だったけど目に焼き付いて離れない。
す、好きだあああ蜂技くーーーーん。
…おっといけない、実験実験。
取り乱しそうになった心を切り替えてグループの席へ戻る。
ぼーっとしていた女子は私に気づいてあたふたと記録ノートを準備する。
「あ…ありがとう委員長……」
「うん、お構いなく。えーっとまずは、だ液を採取して、デンプン溶液を入れる。もう一つの試験管は水とデンプン溶液にする。その間に40度の湯を作っておく、と」
「あ…じゃあわたしお湯もらってくるね……」
「うん、ありがとう」
ビーカーと温度計を持って席を立った女子はお湯の列へ並びに行った。
てことは私がだ液を準備するのか……。
なんかあんまりいい気持ちしないけど授業なんだから仕方ない。
紙コップを持って手洗い場でうがいをして席に戻るといつのまにか男子2人は仲のいいグループの方へ行って不在だった。
はあ、とひとりため息をついて背もたれの無い直方体の椅子にまたがる。
ストローをくわえて試験管に入れていたら、ふと視線を感じて目をやると。



