だから暑くてサラシを巻けない夏はきらいで、薄着の夏服はもっときらい。
そして日本の義務教育に体育という名のバツゲームを組み入れやがったお役人らも大きらい。
そしてそして事あるごとに下品な悪ふざけでコンプレックスをからかってくる男子どもがこの世で一番きらい。
まあそんな世の中でもカナミみたいにちゃんと私の目を見て話してくれるマイノリティな紳士もいるわけで。
「ごめん委員長、寝そうなところ申し訳ないんだけど」
その声の主はまぎれもなく紳士。
控えめで高くもなく低くもないハスキーボイスくんはトントンと机を軽く叩く。
ドキッと心臓がはずんだ拍子にバッと顔を上げる。
「は、蜂技くん……」
蜂技悠里、同じクラスの副委員長。
他の男子とは一線を画す、物静かで大人っぽい雰囲気。
野蛮で下品でおサルさんのやつらとは大違い、クールで控えめで言葉遣いも丁寧で頭も良くて、同じ中学2年生とは思えないほど大人びた空気をまとう、ザ・紳士。



