「う……どんな顔して教室もどればいいのよ!ばかばかばかっ」
乱れる鼓動に堪えられなくてトントン胸板をたたく。
でもほんとは包まれてすごくあったかいの心地よくて、どうしようもなくてムカつく。
「そうだよねえ、こんなかわいー顔のみのりん誰にも見せたくないわあ……このまま戻ろっか」
このまま?
「っ!?」
からだが宙に浮いた、と思ったらきれいなお顔が間近にせまって動き出す。
言わずもがな、お姫様抱っこ。
「みのりんかるーい、ちゃんと食べてる?」
「お、お、お、おろしてッ……!」
「力抜けて歩けないでしょー?それにこれなら顔も隠せるし」
「う……むりはずかしい帰りたい」
ぎゅっと服を握って犬井駆に顔をうずめる。
息をするたびぬくもりときみの香りで満たされて、羞恥よりも愛おしさがこころを包み込んでくれる。
好き、って、思った。
……こんな状況でそんな感情、私も大概じゃないわ。



