良いところなんて1ミリもないのに、犬井駆はなんで私のこと好きなんだろう。
廊下で声掛けてくれた子が言ってたように、やっぱり私はただ遊ばれているだけなのかな……。
はあ……もういやだ、苦しい、常に不安が付きまとってくる。
こんなことなら付き合わなきゃよかった。
別れたらこの気持ちも少しは軽くなるのかな。
授業が終わってもモヤモヤは消えなくて。
察しのいいカナミは大丈夫?と声をかけてくれて、うまく笑えているかわからないけど大丈夫って答えて。
それ以上は突っ込まない優しさに甘えて一緒に教室へ戻る。
犬井駆は私に何か言いたそうな素振りを見せるけどフル無視して逃げた。
そうして掃除の時間がきて、これが終われば帰るだけだ、と解放感を目前にしたまさにその時。
『ピーンポーンパーンポーン、あーあー、マイクテスト。ん?これもう聞こえてるのお?』
え?
「この声って……」



