「犬井くんって今までも何名かカノジョいたじゃん、で今回も1年の美女ちゃんとも付き合ってるって聞いたんだけど実際どうなのかなーって。犬井くんとそんな話もするのー?」
「……しないよ」
「えーそうなんだ。犬井くん隠してるつもりなのかなー、こんなにうわさ広がってるのにね。まあ犬井くんって話しやすいし顔もいいから好きになるのもわかるけど、あんまり振り回されないように注意しなね?かるーい付き合い程度に思ってたほうがいいよー」
言いたい放題ね。
あなたに私たちの何がわかるっていうのよ。
という心の声はしまっておく。
振り回されないように、ってのは一理あるけど。
「うん、忠告ありがと」
ほほ笑みを貼りつけてそう返せば女子は満足げに去って行った。
たいていのうわさは彼のチャラ男っぷりが主な要因ではあるけれど、最近はそのチャラさが落ち着いてきてるはず。
なのに絶えない。
いかせん犬井駆にまつわるうわさは息絶えることを知らない。
それはそれは、悲しみや怒りを通り超えてもはや呆れになりまして。



