冷たい声。
怒っているような、諭しているような。
「そ、そうだよね!ごめんね、読書の邪魔して」
「ううん、大丈夫」
「それじゃ次体育だから!蜂技くんも遅れないようにね」
「うん」
そうして教室の扉の前で待っててくれたカナミのもとへ。
気にしていたのでカナミにも同じことを聞いたけど、全く知らないようで「絶対本人に確かめたほうがいいよ〜?」とのことだった。
できればそうしたいけど。
今朝言われたセリフに少しドキドキして目も合わせられないなんて他言無用。
オトナの女性とデートしてたこと知って胸がざわついていることも悟られたくない。
私、いま、すごくおかしい。
だから、いまは、会いたくない。
そうして一日じゅう視線も言葉も交わさず過ごして訪れた放課後。
もちろん裏庭には行かない。
「カナミ、帰ろう」
「うん!あ、でもみのりん、昼休み行けなかったでしょ?今から行かなくていいの?」
裏庭のことだ。
カナミ、何か察してるっぽい。



