チャラ男も笑えば雑巾に当たる



 * * *



翌日。

朝、かなり早めに登校して教室よりも先に裏庭へ直行すると、犬井駆はベンチで横になっていた。

うそ、犬井駆ってこんなに朝早く学校来てるの?
いつも?それとも今日だけ?


「おは……、」


おはようと言いかけてやめたのは、その目が閉じられていたから。

頭側の空いているスペースに音を立てないよう静かに座る。

見下ろすと手元に単語帳があって、今日も朝から勉強していたんだと感心する。

そういえば犬井駆って成績どれくらいなんだろう。
失礼だけど、いつもへらへらしてるせいで頭は良さそうに見えない。
前も単語帳見てたし……意外と努力家?
勉強がんばって何か目標でもあるのかな。

と、じーっとながめていたら。


「おはよ、みのりん」

「っ、おはよ」

「昨日は楽しかったねえ」

「そうね」

「今日もかわいいねえ」

「……うるさい」


ぱっちり開いたまあるい瞳。

寝起きのふにゃりとした感じではないあたり、本当は起きていたっぽい。