あのずきゅううううん!は本物だった。
犬井駆にひざ枕を提供してまで蜂技くんのこと知りたかった。
私はたしかに恋をしていた。
なのにどうして、涙の一滴も出ないんだろう?
「もしかしたら、みのりんの中で『やりきったぞ』っていう達成感が大きいんじゃないかなぁ?」
「達成感?」
「うん。あたし片想いって呪縛のループみたいなものだと思うの。両想いになれるかもしれないっていう期待と、叶わないかもしれないっていう不安の無限ループ。思い切って告白することで決着がついて、その呪縛から解放されて、いまは達成感で心が満ちている状態なんじゃないかなぁ」
カナミの言葉はストンと腑に落ちる。
「……そうかも。カナミ、私きっと嬉しいの。今までこんな私が蜂技くんのカノジョになるとか望むこと自体おこがましいし相応しくないしいけないことだって否定して、遠くから見てるだけでじゅうぶんだって思ってたけど……本当は近づきたかったし、あふれる気持ちを押し込めずに届けたかったし、好きって気持ち気づいてほしかった」



