私を悩ませたくないっていうのも、そういうことか。
この事実を知ったら確かに私は悩んでいたよ。
悩むどころか、気持ちを伝える前に失恋することになって、好きの気持ちを自分の中に押し込まないといけなくなって。
それって好きの半殺しのようで、想像するだけでもつらい。
犬井駆は、私がちゃんと告白できるように赤じゅうたんを敷いてくれてたんだ。
彼は協力者(仮)なんかじゃない、はじめから正式な協力者だった。
「っ……はち、ぎ、くん、」
「……ん」
「ありがとう、話きいてくれて」
「うん、こちらこそ。気持ち応えられなくてごめん」
「ううん、なんかスッキリしてるの、不思議な気分」
「……そっか」
帰ろっか、と立ち上がって歩き出す私に続いて、蜂技くんも後ろからついてくる。
会場を出ると来たときよりも少し人混みは減っていた。
そういえば二人の連絡まだ返してなかったや。
「あれ、まだいるみたいよ、二人とも」
「どこだろ……あ、いた」
「わー、背が高いって便利ね」
「いやあいつの髪が目立つおかげ」
手を振ってお互い近づいていく。



