電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

あの日、私がねいろじゃないかとクラスメイトに言われてしまった日から、一週間が経った。

あの日から今日まで、私は学校を休んでしまっている。

学校から逃げているだけではなく、外へ出ることからも逃げてしまっている。

⋯⋯私、逃げてばっかりだ。



「千星、お母さんはお仕事行ってくるからね。行きたかったら学校に行ってもいいし、行きたくなかったら休んでても大丈夫だから」

「うん⋯⋯お母さん、ありがとう」



部屋の扉越しでお母さんと言葉を交わしてから、天井を見上げる。

今までは、話せなくても、歌なら自分の想いを誰かに届けられる。⋯⋯そう思っていた。

歌だけは、私の味方をしてくれる。自分の言葉で否定されることはない。

だけど⋯⋯今は、そんな自分の歌が、歌声が⋯⋯嫌になってしまっている。

いや、正確に言えば、恐怖を感じているのかもしれない。

私の歌声で、ねいろだってことがバレてしまったのだから。

きっと今頃、全校にあの噂が広まっているんだろうなあ⋯⋯。