電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

先生が保健室から出ていっても、私の心の中にはずっと嫌悪感が重く残っていた。



「熱は無いわね⋯⋯。もしこれから体調が悪くなったら、すぐに病院へ行くのよ?」

「はい⋯⋯ありがとう、ございまし、た⋯⋯」



あれから先生がお兄ちゃんに連絡してくれたようで、すぐに保健室へ飛んできてくれたけど、心配をかけたくなかったからできるだけ明るく振る舞った。

ねいろだってことがバレた、なんて⋯⋯口が裂けても言えない。

私⋯⋯この先、学校にいれるのかな⋯⋯。

一度不安になると、真っ黒な不安が心を蝕んでくる。



「千星ちゃん!」



あぁ⋯⋯この声⋯⋯。

もう、振り向かなくたって誰だかわかってしまう。それほどに、聞き慣れてしまった声。



「つむぎ、くん」



いつものふわふわとしたような表情ではなくて、真剣な表情。

紡くんは私と一緒のクラスだし、きっと紡くんも聞いたんだよね⋯⋯。



「⋯⋯紡くん⋯⋯どう、しよう。私⋯⋯ねいろだって、こと⋯⋯バレちゃった⋯⋯っ」