電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

私がねいろだということが紡くんにバレてしまったあの日から、紡くんは前よりも学校に来る回数がグンと増えたような気がする。

前は話すことが億劫でいなくて嬉しい⋯⋯なんてひどいことを思ってしまっていた自分がいたけれど⋯⋯今は紡くんたちのおかげで、毎日が楽しくなっている。



「はーいっ! あたし、王子様役は朝霧くんがいいと思いまーす!」



どこからか、そんな声が聞こえた。



「⋯⋯あ?」



そして、不機嫌そうな低い男の子の声も⋯⋯。



「あたしも朝霧くんがピッタリだと思う!」

「王子様っぽいしね〜」

「朝霧ならやってくれそうだしな」



クラスのあちこちからそんな声がちらほらと聞こえ始めてきた。

そして、言われている本人である紡くんは⋯⋯。



「⋯⋯ちっ」



舌打ちまでかましているし、全身から不機嫌オーラが漂っているっ⋯⋯。

た、確かに、紡くんにとってはお昼寝を邪魔されちゃっているんだから、機嫌も悪くなっちゃうよねっ⋯⋯。



「え、えっと⋯⋯推薦が多く集まっているようですが、朝霧さんはどうですか?」