電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

「千星、あともうちょっとで学園祭って知ってる!?」



いつものように自分の席で静かに本を読んでいると、玲香が話しかけてきた。

学園祭⋯⋯?



「もうそんな時期⋯⋯かあ」



いつの間にかそんなに時間が過ぎていっていたんだなあ⋯⋯。

星鈴学園の学園祭は周りの学校よりも早くて、七月の中旬⋯⋯夏休みが始まる少し前に開催されるんだ。

私と玲香は中学受験をしてこの学園に入ってきているから、受験勉強の息抜きということで玲香と二人で一緒に学園祭を見ていたなあ⋯⋯。

今となってはちょっと懐かしい思い出だ。



「クラスごとに出し物をするらしいし、同じクラスでよかったわ!」

「そうだね⋯⋯! 私も、玲香と一緒に楽しみたい⋯⋯」

「⋯⋯あら? 千星、前よりも話すのが流暢になっているわね。何かあったの?」



話すのが⋯⋯?

確かに、前よりも玲香と話していてもたどたどしくならない⋯⋯。

もしかしたら、アポロンのみんなと最近話したり一緒に遊んだりしているからなのかな⋯⋯?