電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

あれは怪しい勧誘とかだと思っていたんだけど、違ったのかな⋯⋯?



「そ、それじゃあ⋯⋯お願い、します⋯⋯?」



なんだか断るのも悪いと思って、家まで送ってもらうことにした。

☆     ☆     ☆

そのまま二人で歩いていると、すぐに私の家が見えてきた。



「えっと、ここだよっ⋯⋯! 今日は、本当にありがとう⋯⋯朝も、今も」

「いいんだよ〜! 僕がしたくてやったことだし。千星ちゃんが無事で何より!」



そう言ってニコッと満面の笑みで微笑んだ紡くん。

その笑顔がかわいらしくて、思わずきゅんっと胸が高鳴ってしまった。

な、なんできゅんってしたんだろう、私⋯⋯。



「千星ぇぇぇえええええええ!!!!」



⋯⋯こ、この声、もしかしてっ⋯⋯!?

そう思って振り返ると、そこには私の方へ走ってくるお兄ちゃんがいた。



「あれ、生徒会長?」

「お前は⋯⋯千星と同じクラスの朝霧紡か。今日は俺の千星が世話になったな」