二度目の恋は、彼の幸せを見届けるだけ。

 そして待ちに待った10月31日。ハロウィンパーティーの日だ。

最初は仮装なんてするつもりは無かったけど、流伊が楽しみって言うから、魔女の仮装をすることにした。

もちろんお菓子もたくさん用意している

流伊のことだから『まだお菓子ちょうだいっ!!』ってねだってくるだろうな。

流伊のことを考えてると、ついつい頬がゆるんでしまう。最近の悩みだ。



 仮装をして流伊のことを待っていると、インターホンが鳴る。

ソファに寝転がっていたのに飛び上がってドアを開ける。

「流伊っ」

「わっ!お前っ…仮装かわいいし嬉しいけど、誰かも確認せずにドア開けるなよ?変なやつだったらどうすんだよ」

「だって楽しみだったんだもんっ」

「〜っ!優奈は本当に…」

「何?」

「何でもねぇっ」

「ふふ、嘘だ〜」

「はっ!?マジだしっ」

ドアを大きく開けて二人で部屋に入る。10月末なだけあって肌寒くなってきたから、部屋に入ると暖かくてほっとする。

手を洗って、リビングのソファに座る。

「魔法の言葉は〜??」

「魔法の言葉?」

「お菓子いらないのね?ならいいんだよ?」

我ながら思い切りすぎる誘導で笑いそうになってしまう。

「あ〜っ!!トリック・オア・トリート!!お菓子くれなかったら…」

少し悩むような仕草をして、ぱっと思いついたように流伊が

「優奈のこと食べるっっ!!」

「は〜っ!?何言ってるのっ!?」

「はは、嘘だよ」

「そんなのわかってるし!」

「お菓子くれよ〜」

流伊がなだめるように頭をぽんぽんしながら手を差し出してきたから、わたしはお菓子がたくさん入ったおばけの袋を渡した。

「ありがとな」

「うんっ」

「ところでさ優奈はお菓子いらないのか?」

「あ、確かに…トリック・オア・トリート!お菓子くれないとキスするよっ!」

「〜っ…」

「流伊?」

名前を呼んで流伊が顔を上げたそのとき、部屋にリップ音が響いた。

「え、」

わたしはしばらく理解できなかった。でもすぐすごく速い心臓の音が聞こえてきて、現実なことがわかった。

「お前が、キスするよって、言うから…」

首まで真っ赤になった流伊が言う。そうは言ったってお菓子くれればいいだけなのにっっ!!

「はい、これお菓子」