アンケート企画「大好きを君へ」

お母さんの言う通り、私の今の学力じゃ到底届かない、頭の良い高校だ。

ノリと勢いだけで生きてきた私にとって、机に向かい続ける毎日は想像以上に苦しかった。

友達が放課後に遊んでいる中、一人で塾に籠る夜は、寂しくて涙が出そうになる。

だけど、ペンケースの奥には、あの日先輩からもらった第二ボタンが大切にしまってある。

『離れてても寂しい思いさせるかもしれないけど……俺、もう我慢したくない。だから、今から俺の彼女になって』

あの言葉を思い出すだけで、胸の奥からじわじわと熱い力が湧いてくる。

先輩の隣に戻りたい。

もう一度、あの「毎日の特等席」を取り戻すんだ。

私はお母さんに向かって、思いきり不敵な笑みを浮かべてみせた。

「見ててよお母さん! 私の底力、舐めないでよね!」

それからの1年間、私はがむしゃらにペンを握り続けた。

スマホの誘惑を断ち切り、苦手な数学の公式を部屋の壁一面に貼り付けた。

模試の判定がCになり、Bになり……冬を迎える頃には、合格ラインがすぐ目の前まで迫っていた。